糸状の素材で文字をつくり、その先端を引っ張ることで長く声を伸ばし、音が消えていく様子を視覚化する。
ヤッタネ!アタリガデタラモウイッポン!
文字の引力と斥力。文字の意味が人を引きつけたり遠ざけたりするのなら。
①這うタイプ ②飛ぶ小さいタイプ ③硬いタイプ
山根 一眞
講談社
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おもしろくていっきに読めちゃいました。
読んでいて思い出したのは「ギャル文字」のこと。
ギャル文字↓
2002年から2003年頃に普及し始め[2][3]、実業之日本社の石川正尚がギャル文字と名づけた[4]。マスコミが取り上げたことによって広く認知されるようになったが、2005年ぐらいになると流行は途絶え、あまり話題にのぼらなくなった[5]。
この本の研究対象は、昭和49年誕生完了、53年普及開始したと考えられる、若い女性たちが手で書いていた「まる文字」。この字体は、同世代の中でしか通じないような形態をとり、プライベートな印象と幼稚さが濃厚に漂うもの。
また「ギャル文字(と呼ばれるもの)」は、
①手描きの場合は
まる文字に似た(というか「まる文字」を「ギャル」世代にいいなおしたもの??)形態をとる。
思いだしメモ:プリクラ世代、
プリクラ機の中にはいつからかこの、女子中高生の書いたようなまるい文字がスタンプとして搭載されるようになった。
プリクラ撮影後、画像の映った液晶画面に専用ペンで文字を書くなどの操作を行っていくが、
これがつるつる滑る。これで楷書体などは相当に書きづらい。そして文字のエッジは丸い。
時間制限のあるものの場合、ゆっくり書いている時間もない。
②携帯端末の場合
携帯電話のメールなどで文字を分解・変形させて文字を表現する遊び・手法、またそれらの文字そのものの呼称。 「へた文字」とも呼ばれる。
→これについてwikipediaに項目があるのですが、ちらっと読むだけで結構おもしろい。
そしてやはり記事内に「変体少女文字」についての言及があった。
ライターの速水健朗は、1970年代から1980年代にかけて日本の若年女性の間で流行した変体少女文字とギャル文字の類似性を指摘している。
それによると両者は、既存の文字の形状を崩した独特の記号を使って連絡を取り合う仲間内での帰属意識を再確認するという、他者との接続自体を志向するコミュニケーション様式[注 2]に基づいたものだという[16]。
作家の藤井青銅も変体少女文字の雰囲気を携帯電話で再現したものと指摘しており[17]、日本語学者の笹原宏之も変体少女文字に後続する長体文字(ヘタウマ文字)をJISコード内で再現しようとした試みがギャル文字といえるとしている[14]。
教育学者の藤川大祐は、前述の変体少女文字や1990年代に流行したノッポ文字・ヘタウマ字のほかにポケベルを使ったベル番遊び(数字列に語呂合わせによる意味を与えるもの)といったものの延長線上にギャル文字を位置づけ、自身の周囲の価値観に合わせて振舞おうとする若い世代に見られる同調圧力によるものとみている[18]。
評論家の荻上チキは、変体少女文字やギャル文字を、学校空間で少女たちが色ペン・シール・プリクラ帳などの文房具の装飾に熱心になるのと同様の「かわいい」ものへの欲望として位置づけている[19]。
また、このギャル文字に関しては、古くからある「分字」や、江戸時代末期の「当世風流文字くどき通人ことば」という瓦版に書かれたとんちに端を発する鈍字という言葉遊びが挙げられるらしい。
メモ:
・寄席文字なんかも、玄人にしか分からないような本当に余白の少ない文字があったりするので、そういった面に関しては変体少女文字とギャル文字に通ずるところがあると考えられる。
・暗号(また位相文字)とタイポグラフィというテーマ
・可読性と字形による印象のメッセージ性
・読みにくい鳥虫書
小野 恭靖
新典社
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